のばらの読書録

日々読んだ本の記録をしていきます

2021-01-01から1年間の記事一覧

『算法少女』遠藤寛子(2006年)

図書館で借りた遠藤寛子『算法少女』を読みました。2006年のちくま学芸文庫版ですが、1973年に岩崎書店から単行本が刊行されたものだそうです。 江戸時代に算法を学んだ少女が主人公で、時代小説なのですが、あまり知識がなくても物語としてとても面白く読め…

『偉い人ほどすぐ逃げる』武田砂鉄(2021年)

今回はちょうど一カ月前に発売された、武田砂鉄『偉い人ほどすぐ逃げる』を読みました。TBSラジオ「アシタノカレッジ」金曜日を聴いていて、オープニングトークで話されていた告知が面白そうだったので発売日に購入しました。それから日々少しずつ読み進め、…

『偶然の祝福』小川洋子(2000年)

例によって図書館で借りて、小川洋子『偶然の祝福』を読みました。 小川洋子の作品は『博士の愛した数式』しか読んだことがなかったのですが、穏やかに落ち着いていつつどこかドライな語り口がいいなと思いました。 短編集ですが、失うことにまつわるうら寂…

『蹴りたい背中』綿矢りさ(2003年)

数冊並行して読んでるのですが、今回はとりあえず読み終わった綿矢りさ『蹴りたい背中』です。 2003年の作品で、芥川賞受賞作として話題になったのを覚えています。私は当時小学生で、気にはなりつつ何となくタイミングを逃し続けて早18年。先日何か小説を読…

『甲賀忍者軍団と真田幸村の原像 甲賀三郎物語を歩く』福田晃・編著(2016年)他

久しぶりのブログになってしまいました。先月から某ゲームに時間を割いているので本がなかなか進まなくて。 今回は図書館で借りた2冊のレビューです。 福田晃・編著『甲賀忍者軍団と真田幸村の原像 甲賀三郎物語を歩く』(2016) 去年滋賀県にある甲賀(こう…

『狐付きと狐落とし』中村禎里(2020年)第一部

今回は中村禎里『狐付きと狐落とし』の第一部を読みました。 最近なんとなく狐付きに興味がわき、図書館で手に取った本なのですが、結構厚みと文量があり、内容もしっかりした本で、延長して4週間借りたのに第一部しか読めませんでした。続きは気になるもの…

『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(2018年)③完

ちょっと間が空いてしまいましたが、ようやく『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み終わりました。 今回読んだのはキム・ジヨン氏の大学時代から就職、結婚、退職と出産までの部分です。今私が20代半ばということもあり、一番共感もあってしんどいパートでした…

『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(2018年)②

引き続き『82年生まれ、キム・ジヨン』。読み終わるつもりだったんですが、読んでてやっぱり一気に読む本じゃないなという感じがしたので今回も途中までです。 今回読んだのはジヨン氏が中学、高校時代の話。 女子にだけ服装規定が厳しかったという話があっ…

『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(2018年)①

13日の地震、東日本大震災を思い出して怖かったです。大きな被害の出るような余震がありませんように。 今回は『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み始めました。本自体は2年ほど前に買っていたのですが、何となく読めずに本棚にしまっていました。良い本なの…

『JR上野駅公園口』柳美里(2014年)②完

なんとなく毎週の土日更新を目指してたんですが月曜になってしまいました。まあそういうこともありますよね。 今回は柳美里『JR上野駅公園口』を読み終わりました。 前半からちょこちょこ仄めかされてはいたのですが、この小説は自殺した上野のホームレス…

『JR上野駅公園口』柳美里(2014年)①

先週の更新でも予告しましたが、今週は柳美里『JR上野駅公園口』を読んでいました。2014年に刊行された本ですが、去年全米図書館賞を取ったということで話題になっていて、私もそこで知りました。 今週は(も?)読書の時間があまりとれず、今は前半ぐらい…

『羅生門・鼻』芥川龍之介(1968年)③完

引き続き『羅生門・鼻』ですが、ようやく読み終わりました。今週読んだのは「邪宗門」「好色」「俊寛」です。 全体を通して古典や史実が元ネタの話が多く、知ってたらもっとわかって面白いんだろうなーと思いながら読みました。知らなくても結構面白かったで…

『羅生門・鼻』芥川龍之介(1968年)②

引き続き芥川龍之介の『羅生門・鼻』です。今回は「運」と「袈裟と盛遠」を読みました。 自分でもびっくりするほど進みが遅くてあれですが、次週でなんとか読み終わりたいな……と思っています。文量でいうと先週分と今週分合わせたぐらいあるわけですが。 「…

『羅生門・鼻』芥川龍之介(1968年)①

久しぶりに芥川を読んでみようと思い、短編集を買いました。 とりあえず最初の3話「羅生門」「鼻」「芋粥」を読んだので今回はそれらについて書こうと思います。一冊読み終わるごとに更新するって言ってたのにいきなり破ってあれですが。 羅生門 さて、「羅…

『台風の目の少女たち』赤川次郎(2012年)

新年1冊目に読んだのは赤川次郎の『台風の目の少女たち』です。 赤川次郎は十数年前、小学校高学年くらいの頃、三姉妹探偵団シリーズが好きでよく読んでいました。 本を読もうと思い、書店で文庫を端から見たところ、目について懐かしかったので手に取りま…

新年・ブログ開設のご挨拶

こんにちは、のばらと申します。 新年ということで今年の目標を考えました。 それは、たくさん本を読み、なるべく感想を文章の形で書くということです。 その文章を置いておく場所として、このブログを開設しました。 私は子供のころ、本をたくさん読んでい…