のばらの読書録

日々読んだ本の記録をしていきます

『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(2018年)②

 引き続き『82年生まれ、キム・ジヨン』。読み終わるつもりだったんですが、読んでてやっぱり一気に読む本じゃないなという感じがしたので今回も途中までです。

 今回読んだのはジヨン氏が中学、高校時代の話。

 女子にだけ服装規定が厳しかったという話があって、私が通っていた学校にも女子にだけ適用される謎の校則あったなあと思いだしました。ブレザーの中にニットのカーディガン着るのは良いけどベストはダメとか、靴もローファーが基本とかだった気がする。

 タイツは禁止されてなかったので冬場も何とかしのげましたが、学校によっては靴下まで指定があるとこもあるし、冬場のスカート強制は虐待では?と思いますね。

 あと、露出狂とかストーカーとか痴漢に遭った女性を自衛が足りないと責める風潮は本当にクソです。作中では反撃した女子生徒たちもはしたないというニュアンスで責められていましたが、何しても責められるんですね。

 連続的に描かれるそんな酷いエピソードの中で希望を感じるのは、抗議する女子生徒や弟より母を尊重しようとする姉、ストーカーから助けてくれ、「あなたは悪くない」と言ってくれる見知らぬ女性が描かれているところです。この本の帯で松田青子さんが「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」と書いていますが、まさに。と思います。

 この章では90年代の韓国の女性を取り巻く空気感が描かれているのですが、私の育った90~2000年代の日本の空気感と共通する部分があるような気がしました。私もいろいろな理不尽は残る状況でも、なんだかんだ男女は平等だと言われて共学で育ち、学校では男子と机を並べて同じ授業・試験を受けました。私の母も「花嫁修業をしろ」「女の子はそんなに勉強しなくていい」とは一言も言わなかったけれど、「女の子なのに部屋/字が汚いなんて」「女の子は専門的な資格を取ったりして手に職をつけた方がいい」とは言いました。自分の経験と重なったこともあり、そういう描写がすごくリアルというか、繊細に描かれている部分だなと思いました。

 次は読み終われるかな~と思います。