のばらの読書録

日々読んだ本の記録をしていきます

『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(2018年)①

 13日の地震東日本大震災を思い出して怖かったです。大きな被害の出るような余震がありませんように。

 今回は『82年生まれ、キム・ジヨン』を読み始めました。本自体は2年ほど前に買っていたのですが、何となく読めずに本棚にしまっていました。良い本なのはわかっていたのですが、小説読むのがしんどい時期だったので。

 先週から読み始めたはいいものの、一ページ読むごとにいろいろな辛さが沸き上がってきて、一気に読むということがなかなかできません。文体は淡々としていて読みやすいのですが、出てくる話がことごとく身につまされるものばかりで、隣国の話ですが日本と同じだなあと思わずにいられません。そういうわけで、まだジヨン氏が中学校に通い始めるあたりまでしか読めていないのです。ジヨン氏の母にかけられた「男児を2人産め」というプレッシャーとか本当にひどい話だけど、「男の子がいないと”家”が途絶える」とか「女の子がいるから老後の介護は安心」とか、家父長制やら古い性別役割分業やらは日本でもまだまだなくなってないんですよね。未だに夫婦別姓も認められないし。私は95年日本生まれで、学校は男女別名簿ではありませんでしたが、中学校ではいつも級長は男子、副級長は女子だったなあと思いだしました。今はどうなってるんでしょう。今の子どもたちが、女子がリーダーになることに何の違和感も疑問も抱かない世代になっているといいなあ。

 日本でも韓国でも、女性差別をめぐる状況は100年、数十年、ここ十年だけでも大きく変わってきているんだと思います。私の母親は1965年生まれで、80年代、90年代のフェミニズムのころ「若い女」だった世代。キム・ジヨン氏は私と母の間の世代で、作中に登場するジヨン氏の母は私の母と祖母の間の世代だと思います。国が違うのでフェミニズムの流れも違うとは思いますが、越境した動きもあったんだろうなと思い、この本を読んでいると、そういった受け継がれる歩みにも思いを馳せます。闘いには反動が付き物ですが、この大きな流れは止められません。

 次回は最後まで読む予定です。