のばらの読書録

日々読んだ本の記録をしていきます

『JR上野駅公園口』柳美里(2014年)①

 先週の更新でも予告しましたが、今週は柳美里『JR上野駅公園口』を読んでいました。2014年に刊行された本ですが、去年全米図書館賞を取ったということで話題になっていて、私もそこで知りました。

 今週は(も?)読書の時間があまりとれず、今は前半ぐらいを読み終わったところです。

 主人公は1933年生まれ、福島出身の、高度経済成長期に上野に出稼ぎにやってきた男で、その生涯を振り返る物語になっています。

 私は90年代半ばに茨城で生まれ、常磐線にも上野駅にも自分なりの思い出や思い入れがありますが、この小説での常磐線上野駅についての描写を読むと、世代や環境が違う人にとってはまた全然違った意味を持つ場所であり路線なんだなという当たり前のことに思い当たります。東北からたくさんの人が常磐線で上野に集団就職や出稼ぎにやってきた時代のことは、知識としては聞いたことがありましたが、その人たちの経験や人生に思いが至ったことはこれまでなく、貴重な読書体験だなと思って読んでいます。

 まだ途中なので短いですが今日はここまでで。来週には読み終われると思います。